消防署の1日
消防は24時間365日、常に出場体制を整えています。また、職員同士が連携し、交替しながら勤務をしています。ここでは、相模原市消防局の勤務体制や仕事内容について詳しく紹介していきます。
相模原市消防局の勤務体制は、3交替制勤務であり、21日を一つのサイクルとして次のように勤務しています。他都市消防本部では2交替制勤務が多く採用されており、その勤務体制の違いを見てみましょう。
勤務体制について
相模原市消防局の3交代制勤務の例
他都市消防本部の2交代制勤務の例
※相模原市消防局の当番勤務日は、午前9時から翌日の午前9時10分までの24時間10分ですが、休憩時間と仮眠時間の8時間40分を差し引いて15時間30分が勤務時間です。日勤日は午前8時30分から午後5時15分までの7時間45分の勤務です。
相模原市消防局の当番勤務日の勤務体制
※当番勤務中にも休憩が設けられていますが、いかなるときでも災害に対応するため、休憩時間を使って消防署を離れたりすることはできません。
「消防は24時間、災害出場や訓練をしているの?」、「災害がないときは何をしているの?」などの質問を受けることがあります。そんな質問に答えるべく、相模原消防署の当番勤務の一例を紹介します。
仕事内容について
午前の業務
午前9時00分~午後12時15分
引継ぎ
「お互いに敬礼!」
午前9時から勤務する当直部隊は、前日の当直部隊から災害出場や車両資機材の異常の有無について申し送りを受けた後、車両のサイレンや灯火を始め、無線機、空気呼吸器、車載照明等の様々な資機材を作動させ点検し、車両等を引継ぎます。およそ10分でこの作業を行います。
出場訓練
「まわれー右」「防火着装!」「よし!」
隊長指示により、防火衣と空気呼吸器の着装を行い、車両に素早く乗り込む訓練を実施します。この訓練は、通常時から災害時へのスイッチの切り替えを行うことで、1分1秒を争う災害現場に素早く出場するために実施しています。そして、一日の始まりである引き継ぎ後、すぐに実施することで、基本動作及び規律ある行動を確認するとともに部隊のモチベーションを高めることにつながっています。
二次点検
「周囲よし!」「作動確認!」
消防車両には数多くの資機材が積載されているため、引継ぎ時に点検しきれなかった資器材を改めて点検します。切断器具や油圧器具などのエンジン系の資機材の取扱いや三連はしごを伸ばすなど、訓練を兼ねて実施しています。
地水利調査
火災の時、管轄区域の消火栓や防火水槽などの消防水利が正常に使えるように定期的に調査を行い、異常がないか確認しています。川、池、湖などの自然水利の地水利調査も実施します。
受付事務
事業者等が消防に係る各種届出や申請書を提出するため、消防署に来庁します。内容を確認後、受理し適切に処理します。この他、道案内なども行っています。
休憩 昼食
午後0時15分~1時00分
「いただきます!」
お昼の休憩時間で食事をとります。昼食は人それぞれで、家から持参した弁当、コンビニ弁当、宅配弁当、出前を注文するなど自由です。カップラーメンにお湯を注いだ瞬間に、「出場!」なんてことも時にはあります。
午後の業務
午後1時00分~5時15分
事務処理
各業務に係る報告書の作成、訓練の企画・立案に係る書類作成など事務処理を行います。写真は、救急出場から帰ってきた救急隊員が救急出場に係る報告書を作成している様子です。
立入検査
火災予防のため店舗、共同住宅、事業所等に出向して、消火器、自動火災報知設備、誘導灯等の消防用設備の維持管理状況や防火管理状況を検査し、必要に応じて関係者に是正指導を行います。火災を起こさない、起こさせないためにも火災予防は重要な任務です。
訓練
(写真(左))上階に取り残された人をはしごや担架を使用して地上に降ろす訓練を実施したり、(写真(右))重量物に挟まれた人を救出する訓練を実施したりと、様々な災害を想定し、訓練に励んでいます。
休憩 夕食
午後5時15分~午後6時00分
一般的な家庭の夕飯よりも早めに食事をとることで火を扱う時間帯の火災に備えます。消防署の食事は隊員の楽しみのひとつでもあります。食事を作るのもチームワーク。隊員同士の連携でおいしい料理と明るい職場環境が生まれます。余談ですが、日曜日にカレーを作るのが、相模原市消防局の習慣です。
夜間の業務
午後6時00分~7時00分
体力錬成
ロープ登り、懸垂、腹筋、腕立て伏せ、スクワット、ウェイトトレーニング、シャトルランなどを行って体力向上に努めています。災害現場は、長時間にわたることもあり消防士には体力が求められます。困難な災害に立ち向かうには、瞬発力、持久力、そして、自分に打ち勝つ強い気持ちが必要不可欠です。
午後7時00分~7時10分
一斉指令吹鳴試験、無線通話試験及び車両灯火点検
「メリット5!どうぞ!」
災害への出場を指令する通信指令室と無線通話試験を実施する際は、メリットをもって応答します。メリットとは、受信状況を5段階で表したもので、明瞭に受信できる場合には、「メリット5」と応答します。また、無線通話試験に合わせ車両灯火点検を行い災害に備えます。
災害出場
「プープープーッ!警戒出場!!」
消防隊が出場するのは火災現場だけではありません。幹線道路などで起こった事故や救急隊の活動支援などにも出場しています。また、災害の種別によって服装(装備)を変えて出場しています。機関員(運転手)は、いち早く現場に向かうため適切な道路を選定します。「みんな、乗ったか!」「交通事故に気を付けて出場!!」
午後7時10分~10時00分
職場研修及び夜間訓練
プロジェクターを使用し職場内で研修を行ったり、車庫内等で夜間訓練を実施したりしています。
仮眠時間
一日の汗を流すため順番にシャワーを浴び、洗濯を済ませ仮眠を取ります。仮眠室はプライベート空間を保つため個室化が進んでいます。いつでも出場できるよう、活動服を着たままで仮眠を取ります。
午前5時10分~9時00分
庁舎清掃、朝食、車両清掃、申し送り等
仮眠からの起床後は、庁舎の清掃や各種報告書の作成などの事務処理を行います。朝食は、7時頃に済ませ、8時頃から車両清掃を行います。この時、車両や資器材の異常がないかを確認しつつ、感謝の念を込めながら丁寧に車両を清掃します。清掃することで気持ちよく次の部隊に車両等の引継ぎが行えます。
午前9時00分~9時10分
引継ぎ
「お互いに敬礼!」
次の当直部隊に勤務を引継ぎ、24時間の当番勤務が終了しますが、次の当番部隊の点検が終了するまで約10分間は、点検の支援などを行います。
引継いだ後は非番日となり、帰宅できます。非番日の次の日も休み(週休日)であるため、プライベートの時間を活用し、リフレッシュのために趣味に打ち込んだり、家族サービスをしたりするなど各々充実した時間を過ごし、心身ともに鋭気を養った状態で次の当番勤務に臨みます。
相模原市消防局では、労務管理に重点を置いており、プライベートでは福利厚生を上手に活用して充実した生活を送ることができます。
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