20年ぶりに黄金色の茅葺屋根がよみがえった古民家園
平成30年度市民カメラマン
田中千憲さん
相模原市古民家園にある旧青柳寺庫裡の茅葺屋根の葺き替えが行われ、20年ぶりに黄金色の茅葺屋根がよみがえりました。平成10年の開園以来、初めて行われた茅葺屋根の葺き替え作業を6カ月にわたり取材しました。
平成30年8月末、「平成の大修理」開始前の屋根の状態を確認するため同園を訪問すると、茅葺屋根のいたるところが傷んでおり、山側の屋根には雑草も生えていました。
9月、いよいよ大修理開始。まず軒の高さに合わせて作業用足場が設営され、さらに建物全体を覆う素屋根(仮屋根)ができて庫裡は完全に格納されました。10月に入ると古い茅の撤去作業が始まり11月には全ての茅が撤去され骨組みの状態になりました。素屋根があるので天候に左右されず葺き替え作業は順調に進みます。今回の葺き替えには、静岡県御殿場産・熊本県阿蘇産・大阪府河内長野産のススキが使用されました。ススキは直径30cmほどの束にして葺いていきます。12月下旬には7000束のススキが使われた平葺きという作業で、屋根全体に新しい茅が葺かれました。1月に入り屋根葺き職人の方々が最も神経を使う棟(屋根の交わる場所を雨風から守る重要部分)が完成しました。その後最終段階である刈込作業が始まり2月に葺き替え作業がようやく完了、葺き替え工事と並行して、カマドの補修、土間・軒下三和土の修復も行われ3月初旬には全ての作業が終了いたしました。
3月中旬には一般公開も再開され、黄金色の茅葺屋根の前で記念写真を撮る来園者の姿が多く見られました。
この「平成の大修理」に携わった屋根葺き職人の方々やすべての関係者の皆さま、長い期間の作業、お疲れさまでした。
茅葺屋根解体から葺き替え完了までの主な工程
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素屋根(仮屋根)で覆われた旧青柳寺庫裡(9月)
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茅屋根の周囲に作業用足場が設営された(9月)
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古い茅(ススキ)の撤去作業が始まる(10月)
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茅の撤去が完了し三角形の屋根組が出現(11月)
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下地の点検、傷んだ竹材・縄の交換作業(11月)
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軒先まわりから新しい茅を葺き始める(12月)
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平葺き作業が一段ずつ屋根の頂上へ進む(12月)
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大きな針に縄を通して茅を固定する(12月)
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細心の注意で屋根を雨風から守る棟を作る(1月)
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ハサミで茅を刈り込む仕上げ段階へ(1月)
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刈り込みが終わり葺き替え完了(2月)
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素屋根解体後、最後に足場が撤去された(2月)
匠たちの“すご技”に感動!
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屋根の端から端まで一本の縄で結び固定する
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茅を巧みに押し込みながら屋根の形状を整える
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細心の注意で茅を刈り込み仕上げる
葺き替えられた屋根の注目箇所
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恰好よくなった破風(上 修繕前、下 修繕後)
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西面屋根の形状と軒先(上 修繕前、下 修繕後)
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棟(屋根最上部)も新品に(上 修繕前、下 修繕後)
茅葺屋根の修繕期間中に特別公開が5回実施されました
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作業の一例を熱心に見る見学者たち(10月)
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屋根葺き職人による道具類の説明(10月)
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仕上がった屋根を熱心に見る参加者(2月)
平成30年度市民カメラマン 田中千憲さん
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