広報さがみはら No.1374 平成29年(2017年)12月1日号 6.7面 ---------- 共にささえあい生きる社会 できることから少しずつ。その積み重ねが共生社会の実現につながっていきます。 自分には何ができるだろう。何をすればいいのだろう。 答えは1つではありません。 その答えをみんなで一緒に探していきましょう。 誰かを支えるって、特別なことじゃない ガイドヘルパーの小山由香さんへインタビュー ガイドヘルパーの活動をして10年  視覚障害のある人が外出をする際に介助を行うガイドヘルパーをしています。  視覚障害のある人が私の身内にいたので、ガイドヘルパーについては早くから耳にしていましたが、子どもに手がかからなくなったことで10年ほど前から活動を始めました。 利用者の笑顔がやりがいに  活動をしていてうれしいのは、買い物に同行したときに「良い物が見つかった」と言われたり、食事に同行したときに「おいしかった」と言われたりすることです。満足そうな笑顔を見ると、この活動をしていて良かったな、と思いますね。 活動的な伴瀬さんのおかげで私もいろいろな体験が  伴瀬さんは、私がガイドヘルパーになった当初から外出をお手伝いさせていただいています。伴瀬さんは、市の視覚障害者協会の副会長を務めていることもあり、市内はもとより全国各地の会合や行事に出席します。また、趣味も多彩で全国にお友達がいるので、いろいろなところに同行させてもらっています。  伴瀬さんとご一緒することで、私の方が勉強させてもらったり、知らなかった世界を教えてもらったりしているんですよ。 特別なことだと思わず気軽に手を差し伸べることが大事  ある人が、「背の低い人が高い所にある物を取るとき、背の高い人に頼むでしょう。障害のある人を手助けするのは、それと全く変わらないんだよ」と話していました。本当にその通りで、私はいつもその言葉を心に留めているんです。  障害者支援は、少しも特別なことではありません。最初から「難しそう」「私にはできない」などと構えずに、普段、親しい人が困っていたら手伝ってあげるように、気軽に声を掛けたり手を貸したりすることが大切なのだと思います。 ヘルパー利用者の伴瀬美恵子さんへインタビュー 小山さんは今や私の活動に欠かせない大事なパートナー  小山さんの良いところは、サポートの適切さです。言葉や行動が過度にならず、それでいて必要なことは心得ていてくれるので、こちらも安心できるんです。今では依頼の際に、「この日、小山さんは空いていますか?」とあらかじめ確認することもあるんですよ。  ガイドヘルパーは目の代わりをしてくださる大事なパートナーですが、今や小山さんはお友達ともいえる大切な存在です。 ガイドヘルパー制度を積極的に利用して           障害のある人には外出を楽しんでほしい  相模原市は、ガイドヘルパーの利用条件が恵まれていると思うので、とてもありがたく感じています。障害のある人は、「一人では出掛けられない」と家にこもらず、積極的にこの制度を利用して外出を楽しんで、社会参加してほしいですね。 誰かがうれしくなれば自分もうれしい 住みよい社会の第一歩はそこから  手助けが必要なことは、障害者でも健常者でも普通にあること。だから、「ちょボラ(ちょっとしたボランティア)」という感覚で、困っている人に気軽に声を掛けてほしいですね。  自分がしてあげたことで誰かがうれしくなって、自分もうれしくなる。その気持ちが次につながっていけば、みんなが住みよい社会になるのではないでしょうか。 相手の気持ちを知る 学ぶ 考える 富士見小学校4年生は、総合学習で「だれにでもやさしく」をテーマに学習を進めています。その一環として、障害について理解し、共生社会について考えるための取り組みを積極的に行っています。 アイマスクや車いすを使って障害を体験  障害のある人や高齢者が日頃どのように感じているのかを、実際に体験しながら学びました。 障害のある人から直接話を聞く  肢体、視覚、聴覚など、さまざまな障害について直接話を聞き、学んだこと・感じたことを新聞にまとめました。 みんなで楽しめる企画を考える  障害の有無にかかわらず、みんなで楽しめるような企画を考えて実施。歌やゲームなどいろいろな企画を行いました。 自転車競技 パラリンピック銀メダリスト 鹿沼由理恵選手と交流  小学生の頃は、視覚障害があることを周りに隠していた鹿沼選手。さまざまな出会いを経る中で自分の障害を受け入れ、ひたむきに練習に励みメダルを獲得した鹿沼選手の話を聞いた子どもたちからは、「えーっ!」「すごい!」と次々に声が上がりました。普段の生活のことから競技のことまで、たくさんのお話を聞かせてもらいました。 鹿沼選手のコメント  車いすバスケットボールや盲人マラソンなどのパラリンピック競技も、元のルールを少しだけ工夫したもの。相手を思う心とちょっとした工夫があれば、障害の有無にかかわらず、みんなで共に生きていくことができると思います。 授業を通して考えた理想のさがみはら 「助ける」ではなく「助け合う」まちにしたい 自分たちが学んだことを伝えていって、みんなが障害を「他人事」ではなく「自分事」として考えるようになってくれるといいな 富士見小学校では、作文や理想の相模原を描いた絵などを障害者週間イベントで展示する予定です。子どもたちが自ら考えて発信するメッセージは、「共にささえあい 生きる社会」に向けた大きな一歩になってくれることでしょう。 知的障害のある人の居場所づくり まつカフェ  知的障害のある人が家以外でくつろげる場所をつくりたい「まつカフェ」はそんな思いを込めた事業です。障害者支援センター松が丘園で試行的に実施しているこの企画では、ボランティアも参加者の1人として輪に加わります。  毎回のテーマはさまざま。取材をした日は、みんなでジェルキャンドル作りに挑戦していました。活動中、サポートを必要としている人がいたら自然と誰かが手を差し伸べ、参加者同士のおしゃべりも弾みます。  初めは緊張していた人も最後は笑顔に。障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に楽しめる空間となっていました。 初めて参加した人の声  普段は家でテレビやDVDを見ていることが多いので、こうやってみんなで集まってわいわいできたのが楽しく、良い経験になりました。声優体験やコーヒーを楽しむ会など、いろいろなテーマがあるので、これからも参加したいです。 障害者週間イベント  市内では、さまざまなイベントを開催します。「共にささえあい 生きる社会」について考えるきっかけにしてみませんか。 市障害者週間のつどい  「しょうがい」がありながら活動するプロの音楽家集団「チームアウローラ」によるコンサートや、市少年少女合唱団の合唱、相模原中央支援学校の生徒によるパフォーマンスなど 日時 12月3日(日曜日)午後1時から3時30分 会場 あじさい会館 定員 300人(先着順) ※希望者は直接会場へ ---------- あじさい会館の催し 市障害者作品展  市内在住の障害のある人が作成した絵画、書道、生け花、俳句、川柳などの展示 日時 12月3日(日曜日)まで 午前9時30分から午後4時(1日は正午から) 「心の輪を広げる体験作文」「障害者週間のポスター」入賞作品展 日時 12月8日(金曜日)まで 午前8時30分から午後5時 清水一二氏写真展(リオパラリンピック写真) 日時 12月4日(月曜日)から8日(金曜日)午前8時30分から午後5時(4日は午前10時から) 会場 市役所本館 ほかほかふれあいフェスタ2017 障害者週間キャンペーン  パネル展示・チラシ配布や、大道芸、車いすダンスなどのパフォーマンス 日時 12月9日(土曜日)正午から午後2時30分 会場 相模大野駅ペデストリアンデッキ 問い合わせ 障害政策課 電話042−707−7055 ---------- 市の手続き、イベントや施設のお問い合わせに… 相模原市コールセンター 電話042−770−7777 ファクス 042−770−7766 午前8時から午後9時 年中無休 ※おかけ間違いにご注意ください。