広報さがみはら No.1332 平成28年(2016年)3月1日号 2.3面 ---------- 平成28年度 施政方針の大要 72万市民の笑顔あふれる潤いのあるまちをめざして  2月22日から開催されている市議会3月定例会議の冒頭、加山俊夫市長が平成28年度施政方針演説を行いました。  この中で市長は、「72万市民の笑顔あふれる潤いのあるまちをめざして」をテーマに、「人にやさしく、活力あふれる地域社会の創造」「将来を見据えた都市経営」「信頼と連携を深める市政運営」の3点を市政運営に当たっての重要な視点として取り組むことを表明しました。  全文は、各行政資料コーナーと市ホームページでご覧になれます。 ※主要施策や予算のあらましは、本紙4月1日号でお知らせします。 問い合わせ 企画政策課 電話042−769−8203 ---------- 平成28年度 市長施政方針(抜粋)  昨年は、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉の大筋合意や安全保障法制の整備など、わが国の今後の経済、国際関係や安全保障の方向性に大きく関わる動きがございました。これらの新しい枠組みが、国民の平和で安全な暮らしを守るとともに、より豊かな生活につながることを期待しているところでございます。  経済情勢は、企業収益や雇用情勢の改善など、景気の緩やかな回復基調が続いているものの、中国をはじめとするアジア新興国の景気が下振れし、わが国の景気を下押しするリスクが懸念されているなど、依然として、先行きは不透明な状況が続いております。  また、わが国では、世界にこれまで例のない急速な人口減少、少子高齢化の進行が見込まれており、年金・医療・介護をはじめとする持続可能な社会保障制度の確立や、地域の活性化と人口減少抑制をめざす地方創生は、一刻の猶予も許されない、喫緊の課題でございます。  加えて、全国各地で発生している自然災害に対する防災・減災対策、被災地の復興対策、エネルギー政策と地球温暖化対策、米軍基地問題など、国民生活に密接に関わる、多くの難しい問題を抱えております。  このように、わが国がさまざまな課題を抱えている中、地方自治体といたしましても、時代の潮流を踏まえた施策を着実に進め、地域が持つ資源や潜在力を最大限に生かすとともに、市民一人一人が力を発揮できる社会を築くことにより、日本に活力をもたらしていかなければならないと考えております。 ---------- 重要な3つの視点 1 人にやさしく、活力あふれる地域社会の創造  誰もが住み慣れたまちで、健康で安心して、生き生きと暮らすことは、市民の皆さまに共通する願いであり、最も身近な基礎自治体である市の役割の原点でもございます。社会や暮らし、経済などが変わり続ける状況におきましても、この原点を追求し続けていくことが使命であると強く感じております。  こうした考えの下、今後も引き続き、医療、福祉、子育て支援の充実をはじめ、防災・減災対策、教育環境の整備など、市民の皆さまの安全・安心の確保と暮らしの充実を最優先した施策に取り組んでまいります。  また、暮らしやまちをつくる主人公である市民の皆さま一人一人が、地域や学校、職場などでそれぞれの個性や能力を生かし、生きがいを持って暮らすことができる環境をつくるとともに、住民同士のつながりをより深め、地域における支え合いの輪を広げる取り組みを進めてまいります。 2 将来を見据えた都市経営  わが国が人口減少、少子高齢化の局面を迎えている中、本市におきましても、将来人口推計では、今後、人口減少に転じ、少子高齢化が急速に進行すると予測しており、人口減少社会を見据えた持続可能な都市経営に迅速に取り組む必要がございます。  こうした状況を踏まえ、「相模原市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン及び総合戦略」を策定し、少子化対策、雇用促進、中山間地域対策など、出生率の向上や転出抑制・転入増加につながる施策を重点的に進めてまいります。   また、本市では、リニア中央新幹線の駅が設置される橋本駅周辺と相模総合補給廠(しょう)の一部返還地等の早期利用や小田急多摩線の延伸に取り組む相模原駅周辺を一体としたまちづくり、圏央道のインターチェンジ周辺における産業を中心とした新たな拠点づくりなど、全国でも有数の大規模プロジェクトが同時に進行しているところでございます。  こうした本市が持つポテンシャル(潜在力)を最大限に生かし、首都圏南西部における広域交流拠点都市のさらなる形成を図ることにより、「人や企業に選ばれる都市づくり」を進め、本市の活力を周辺地域や日本全体に届けてまいります。 3 信頼と連携を深める市政運営  地方分権改革の進展に伴い、国や県からの事務・権限の移譲が進められるなど、政令指定都市としての責任が今まで以上に増しております。  こうした中、適正かつ効果的な事務事業の執行に努め、公平・公正でより質の高い行政サービスを提供することで、市民の皆さまの信頼や期待に応えられるよう、全力を尽くしてまいります。  また、厳しい財政状況の中にありましても、今まで以上に市民生活に直結する施策の充実を図り、都市としての成長を続けていくためには、市民、関係機関、企業の皆さまとの連携・協力を一層深め、共に力を合わせていくことが不可欠でございます。このため、市政へのご理解をより深めていただくための情報発信や協働の推進、参画を促進するための取り組みを積極的に進めてまいります。  さらに、本市を含む圏域全体を活性化し、持続的な発展をけん引していくために、産業や観光の振興、人や文化等の交流、防災や環境対策の取り組みなど、さまざまな分野において、近隣自治体や関係都市との連携を図ってまいります。 ---------- 持続可能な都市経営の推進  厳しい財政状況の中、限られた財源と資産を有効活用し、市民福祉を向上させるための施策を効果的に推進するため、職員が一丸となり、効率的な行財政運営の追求や積極的な歳入確保などに努め、将来にわたり持続可能な都市経営に取り組んでいきます。 ○「新・相模原市総合計画」の着実な推進、次期実施計画の策定 ○「さがみはら都市経営指針」の見直し、実行計画の策定 ○「(仮称)公共施設マネジメント推進プラン」の策定 ○基幹システム最適化の推進 ○コンプライアンス推進体制の強化 ○個人情報の適正な管理 ○地方分権改革の推進 ---------- 予算  本市の財政は、景気の回復基調等を背景とした市税収入などの増加要因はあるものの、高齢化の進行や社会保障施策の充実などに伴う扶助費を中心とした義務的経費の増大が想定され、依然として厳しい財政運営が見込まれます。  こうした状況を踏まえ、平成28年度予算編成に当たっては、あらゆる事務事業を精査しながら、市民生活の向上や都市のさらなる発展に向けて、最終年度を迎える中期実施計画の着実な推進に重点を置いた予算編成を行いました。 一般会計 予算案 2,577億円 前年度比 0.9%増(一般会計は、27年6月の肉付けの補正予算を加えた実質的な27年度当初予算との比較では、0.7%増となっています。) 特別会計 予算案 1,938億円 前年度比 3.3%増 合計 予算案 4,515億円 前年度比 1.9%増 公営企業会計 予算案 274億円 前年度比 0.4%減 ---------- 市政運営の5つの柱と主な取り組み 1 市民が安全で安心して、心豊かに暮らせるまちづくり 高齢者福祉の充実 ●新しい介護予防・日常生活支援総合事業への円滑な移行 (新規事業) ●生活支援コーディネーターの日常生活圏域への配置(新規事業) ●認知症施策の推進  ●介護人材の確保・育成 ●特別養護老人ホームの整備促進 障害者福祉の充実 ●福祉型児童発達支援センターの拡充 ●療育センター再整備基本計画の策定 ●障害者差別解消に向けた取り組み 医療体制の充実 ●総合診療医の育成・確保に向けた支援 健康づくりの促進 ●健康ポイントモデル事業による健康づくりの促進(新規事業) 消防・救急体制の充実 ●津久井消防署、青根分署の整備に向けた取り組み  ●救急高度化の推進 地域防災力の向上 ●自主防災組織や避難所運営協議会などの支援  ●土砂災害警戒区域等における警戒避難体制の整備 暮らしにおける安全・安心の確保 ●消費生活センターの機能強化  ●空き家等対策の推進 ●防犯カメラの設置促進(新規事業) ●DV(ドメスティックバイオレンス)対策の推進 地域福祉の推進 ●生活困窮者・生活保護受給者の自立に向けた支援 基地対策 ●基地返還や航空機騒音の解消などに向けた取り組み ●相模総合補給廠(しょう)の一部返還地と共同使用区域の市民利用に向けた取り組み 2 将来を担う世代の健やかな成長と豊かな心を育む環境づくり 子どもを生み育てやすい環境づくり ●小児医療費・妊婦健康診査費・特定不妊治療費の助成  ●民間保育所・小規模保育事業所の整備 ●認定保育室の認可化  ●保育人材の確保 ●「さがみはら児童厚生施設計画」の見直し ●放課後子ども教室の実施 学校教育・教育環境の充実 ●きめ細かな支援を目的とした児童支援専任教諭の配置の拡充  ●青少年教育・相談事業の充実  ●校舎改造、トイレ改修、空調設備の整備など、教育環境の整備  ●中学校給食の充実 ●県費負担教職員の事務・権限の移譲に向けた準備 子どもの権利保障の推進 ●子どもの権利の侵害に関する相談、救済などの取り組み 3 にぎわいと活力に満ち、魅力あふれる都市づくり 広域交流拠点の形成 ●橋本駅周辺整備に向けた取り組み ●相模原駅周辺整備に向けた取り組み ●JR横浜線連続立体交差化に向けた調査・検討 広域交通ネットワークの充実 ●小田急多摩線の延伸に向けた取り組み ●圏央道インターチェンジアクセス道路の整備に向けた取り組み ●新しい交通システムの導入に向けた取り組み 圏央道インターチェンジ周辺における拠点の形成 ●相模原インターチェンジ周辺新拠点まちづくりに向けた取り組み ●当麻地区整備促進事業の推進  ●麻溝台・新磯野地区整備事業の推進 安全で災害に強い都市基盤の整備 ●土木施設の予防保全的な維持管理  ●雨水管や雨水ますの整備などの浸水対策 ●住宅・建築物の耐震化の促進 戦略的な企業誘致の推進 ●さがみはら産業集積促進方策(STEP50)の推進  ●業務系企業等の誘致策の検討 中小企業の支援 ●産業支援機関と連携した新製品等の研究開発や販路開拓などの支援 ●産業用ロボットの導入支援  ●中小企業融資制度による支援 地域商業・サービス業の振興 ●中心市街地のにぎわいづくりの促進  ●商店街の環境整備などの支援 都市農業の振興 ●農業の担い手の育成・確保  ●地産地消の推進 雇用対策の推進 ●市総合就職支援センターを中心とした就労支援 ●女性の活躍推進に向けた取り組み 4 環境を守り、自然と共生する社会づくり 地球温暖化対策 ●燃料電池自動車の普及促進 ●住宅用スマートエネルギー設備の導入促進 ●中小規模事業者に対する省エネルギー対策の推進 ●防犯灯の一斉LED化 資源循環型社会の形成 ●旧南清掃工場跡地への粗大ごみ受け入れ施設、リサイクルスクエアの整備 ●北清掃工場の改良工事に向けた取り組み ●一般ごみ収集運搬体制の見直し(新規事業) 自然環境の保全 ●生物多様性の保全等に関する取り組み ●相模原市市民の森の整備に向けた取り組み 5 地域の個性が光り、市民が誇りに感じるふるさとづくり 市民が主役の地域づくり ●さがみはら市民活動サポートセンターの運営体制の拡充 ●さがみはら地域づくり大学の実施 ●あじさい大学の充実 ●区制を生かしたまちづくりの推進 生きがいを持ち心豊かに暮らせる環境づくり ●公民館の老朽化等に伴う整備 ●美術館基本構想の策定 生涯スポーツ社会の実現 ●(仮称)横山公園多目的フィールドの整備 ●スポーツ・レクリエーションゾーン(相模総合補給廠共同使用区域内約10f)の整備に向けた取り組み ●ホームタウンチームなどとの連携、支援 本市の魅力の向上とシティセールス ●シティセールスの推進 ●観光エリアの形成の促進 ●2020東京五輪・さがみはらプロジェクトの推進 ●国際交流の推進 結びに  大きく変動する社会経済情勢の中、私たちが、将来にわたって豊かで幸せな暮らしを実現していくためには、先人たちが大切に築き上げ、引き継いでこられました、人と人との絆の力を遺憾なく発揮し、さまざまな困難にも臆することなく、新しい時代を切り拓(ひら)いていくことが必要であります。  共に拓く新しい未来が、全ての市民の皆さまの笑顔があふれる、潤いのあるまちにつながることを信じ、これからも全力で市政運営に取り組んでまいります。  市民の皆さまの市政に対するご理解と一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。